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誤解されがちなDX、その真意と私たちの挑戦

公開日:2025/12/05
設計・アーキテクチャチーム開発・プロジェクト運営

はじめに

※ この記事はDX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)について書かれています。DX(Developer Experience:開発者体験)については書かれていませんので、ご了承ください。

突然ですが、「DXって何ですか?」と聞かれたら、あなたはどう答えるでしょうか?

「紙をPDFにすること」でしょうか。「新しいシステムを導入すること」でしょうか。はたまた「冷蔵庫の中のきゅうりにWi-Fiをつなげること」でしょうか。

・・・

最後のボケは生成AIが考えました。決して私が考えたわけではありません。決して。私が考えたボケは、「ドラえもん × X JAPAN、DX!」です。

ドッ

本記事では、誤解されがちなDXの真意と、私たちが挑戦しているリアルをお伝えします。

  • 「DXって効率化のことだよね?」と思っている方
  • 「DXに挑戦したい」と思っている方
  • 「冷蔵庫の中のきゅうりにWi-Fiをつなげること」の方が面白いと感じた方
  • 「ドラえもん × X JAPAN、DX!」の方が面白いと感じた方
  • 「甲乙つけがたいなぁ」と感じた方
  • 「どっちも面白くないよ」と感じた方

上記に当てはまる方々、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

↑これはきゅうりです。

DXとは何か?誤解とその背景

まず、DXが「デジタル化」や「効率化」とはどう違うのか、その定義から整理してみましょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉は20年近く前に生まれました。2004年、スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が論文で提唱したのが始まりで、「情報技術の浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という、広い意味での社会変革を意味していました。

やがて日本でも紹介され、2018年には経済産業省が『DX推進ガイドライン Ver.1.0』を公表しました。そこではDXを次のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

2025年現在も、この定義は大きく変わっていません。

つまりDXとは、「紙をPDFにすること」「業務を効率化すること」「新しいシステムを入れること」だけではありません。それらを戦略的に積み重ねながら、変化に強い組織へと進化し、企業のあり方そのものを変えること、これを企業の生存戦略とすることが求められているのです。

それでは、なぜ多くの現場で「DX = 効率化」という誤解が生まれているのでしょうか。想像を多分に含みますが、以下のような背景があるのではないかと考えています。

  1. デジタル化、効率化は目に見える効果が出やすい

    紙の電子化や業務のオンライン化は短期間で成果が分かりやすいため、取り組みが進んだ

  2. 事業単位、会社単位の大きな変革には経営層の決断が不可欠

    ボトムアップから経営層を巻き込むことは難しく、DX担当者の裁量の範囲内では効率化レベルの取り組みに留まってしまう

  3. 社会的なバズワード化

    DXという言葉が定義を置き去りにして一人歩きした結果、自分たちの取り組みを「これはDXだ」と誤認しやすくなってしまった

次に、本来のDXがなぜ強く叫ばれているのか、その重要性について見ていきます。

なぜDXが叫ばれているか?DXの重要性

前章でDXの定義を紹介しました。「DXがなぜ重要視されているか?」という問いには「その定義が示す通り、企業の存続に直結するから」というのが一つの答えになると考えています。

  • 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し

    → 技術革新や社会情勢の変化に柔軟に対応できるかどうかが、企業の生存を左右する

  • データとデジタル技術を活用して

    → データは新しい「資産」であり、それを活かせる企業は新しい価値を生み出せる

  • 顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに

    → 日々高度化していく顧客の要望に対して、従来の改善策(効率化や営業努力)では対応しきれず、外向きの変革が求められる

  • 業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し

    → 外向きの変革を支えるには、内向きの変革が不可欠である

  • 競争上の優位性を確立する

    → 結果として、市場で持続的に勝ち続けることを目指す

こうして定義を分解してみると、DXは単なる効率化やデジタル化ではなく、企業の存在意義や将来そのものを左右する取り組みであることが分かります。

もちろん、競争優位を築く方法は他にもあります(ブランディング、人材育成、M&Aなど)。これらは依然として重要であり、DXがその仲間に加わったと捉えるのが良いかもしれません。しかし、市場変化のスピードを考えると、DXはもはや「選択肢の一つ」ではなく「企業の未来を支える基盤」と言ってしまっても良いとも思えます。

マナビDXクエストとの出会いとDX推進組織の立ち上げ

入社して半年が経ったころ、純粋な興味から マナビDXクエスト(経済産業省の主催するデジタル推進人材育成プログラム) に応募しました。

https://dxq.manabi-dx.ipa.go.jp/

マナビDXクエストではケーススタディや実企業との協働を経験しました。

(ありがたいことに、ケーススタディプログラムでは成績上位5%に入り、総合優秀賞もいただくことができました。)

そこから興味を持ち、上述したようなDXに関する知識を吸収。「自社でもDXを進められないか」と考えるようになりました。

いくつかのアイデアを上司に相談したところ、「事業本部会議で提案してみよう」と背中を押してもらい、DX推進提案を行うことに。

ちょうどその内容が当時の常務取締役の課題感と一致し、社内に「DX推進組織」を立ち上げるきっかけになりました。

この経験を通じて実感したのは、この会社には新しい挑戦を歓迎し、若手の提案にも耳を傾けてくれる文化があるということです。入社間もない私のアイデアでも、きちんと議論の場に乗せてもらえ、組織化へとつながりました。自分としても、当事者意識を持って考えた内容が受け入れられ、実際にアクションに繋がったことは自信になっています。

そして立ち上げたDX推進組織では、顧客にとって真のDXパートナーになることをゴールに掲げています。単なるシステム導入や効率化の支援にとどまらず、顧客と共に変革に挑む存在でありたいと考えています。

まとめ

本記事では、DXの定義とその誤解、そしてなぜいまDXがこれほど重要視されているのかを整理しました。

DXとは単なるデジタル化や効率化ではなく、企業の存在意義や生存戦略そのものに関わる取り組みです。

私自身、マナビDXクエストでの学びをきっかけに、社内でDX推進組織の立ち上げに携わることができました。この経験を通じて、変革は決して一人では実現できないものであり、組織として挑戦を積み重ねることの大切さを実感しています。

DXを正しく理解し、それぞれの立場で一歩を踏み出すことが未来を形づくる第一歩になるのではないでしょうか。

参考文献

https://dxlab.jp/wp-content/uploads/2025/06/Information-Technology-and-the-Good-Life.pdf

https://dxlab.jp/wp-content/uploads/2025/06/DX推進ガイドラインVer10.pdf


執筆者:江崎 陽大(プロフィール)藤田 咲(プロフィール)

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